2010/09/16

凛の会事件の被告と検察

「私は泣かない、屈さない」村木厚子(文芸春秋 10月号 p.94-115)を読みました。自分を苦しめたことを書いているにもかかわらず、読んだ後もさわやかさが残るのは、この人の持っているものの表れなのでしょう。
事実の追及が中途半端な若い検察官を、批判は抜きにして、大きな目で見ている様子にも、好感がもてました。
途中、保釈金の仕組みをネットで調べたりりして、少し利口にもなりました。

はじめに仮説を立て、取り調べでその検証をするという調書の作成方法は、石の中から女神を掘り出す彫刻家の技量が求められるのに、検察官が束になって、捻じ曲げた像しか掘り出せないのは嘆かわしいことです。本来の目的が「凛の会」事件の構図を明らかにすることではなく、誰かを陥れようとする意図であるとすればなおさらです。
仕事では、上から降りてきたものを理屈抜きにこなさなければならないことがありますが、物や金を扱う商売と違って、人の生活や時間、命を扱う仕事は、倫理観が大切ですね。
そういう意味で、いま読書半ばで止まっている『これからの「正義」の話をしよう』を最後まで読む優先順位が上がりました。

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