昨日、八尾まで足を延ばし、初めて「風の盆」の踊りを見てきました。
おわら節にはかつてほとんど関心がなかったのに、この変わりようには自分でも驚いています。
もっと驚いたのは、入善や黒部、魚津の山沿いと似たような地形の八尾の町が、豊かな街並みを残して今も栄えている(ように見えた)というところです。
諏訪町という通りは、電柱を取り外し、いしだたみを施し、人工的に整形された古い街並みながら、日本の道百選に選ばれたようで、踊りの流しを待つ1時間に感じた地元の人の誇りも相当のものでした。
諏訪町の踊りには、細い通りにびっしり詰まっていた見物客を、除雪した雪のように道の両脇へ追いやり、踊りのためのスペースをしっかり確保する役割の人がいて、見物人を厳しく取り仕切ります。
ここから動くなと移動を制限されてから、待つこと小一時間。お花というご祝儀をもらうと、その場所の前で丁寧に踊るので、前に進むのが遅くなるらしく、100mぐらいを進むのに1時間もかかりました。
その前に、見物した上新町の踊りは、混雑していても、観客は自由に移動して観ることができ、踊りの流れもスピードがあり、30分で終わりました。
踊り手は、控えの場所から出て踊り始めの坂の上に移動するとき、これからスポーツの試合でも始まるかのように、盆踊り風の掛け声をかけあって、若々しいエネルギーが期待を盛り上げました。踊りの前を、三味線、胡弓、太鼓、音頭取りが先導し、おわら節の歌は一節ごとに年配の歌い手が交代して歌いあげます。
踊りの流し方は、11の保存会ごとにそれぞれの特徴があるということです。
観光客・見物人として目の前の歌と演奏を初めて体験した上新町の踊りは、自由な雰囲気の楽しい踊りでした。
ずいぶん待たされた諏訪町の踊りは、初めてという感動がない分、歌と踊り以外のことが目につき、管理の行き届いたスノビズムの踊りという印象しか残りませんでした。
町流しについては、素人の感想ではなく、通のコメントができるようになりたいと思います。
駐車場に帰るシャトルバスは最終23時ということなので、諏訪町の踊りが目の前を過ぎた22時20分ぐらいに、時間切れで帰りました。
バス乗り場に戻る途中の道端で、三味線、胡弓を持って歌う浴衣姿の3人---50-60歳の男性と、20歳代ぐらいの女性---の歌う前に、それに聴き入る人が立っていて、自分もその中に入ってみたくなりました。
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