以上が、8月8日の経験だったのに、本日、8月9日、同じレコードを聴いても、そのとき感じた感動の追体験はできませんでした。
記事に見入りながら、指でぬぐってはじめて、涙が流れていることに気がついた。
買い物ついでにCDを借りてきてiPodに入れようと思ったとき、そういえばこの家のどこかにCDがあったような気がして、探してみると、ちゃんとあるではないか。
♬ざわわざわわ ざわわざわわ ざわわざわわ....♬私は、背の高いさとうきびの畑に入って、緑の波がうねるのを見、夏の陽ざしの中を通りぬける風を感じる。
このうたは、そのリアルな情景のイメージだけではない、もっと深いものを聴くものの心に運んでくる。
外は雨。梅雨明け宣言もされたのに、北陸では長い梅雨がまだ明けない。 「このうたはカッと暑い夏の日ざしの中で聴くうただな」などとコメントしながら、涙が止まらない。
作詞作曲の寺島尚彦さんは、34歳の時、『住民を否応なく地上戦にまきこんだ沖縄戦を伝えるため、音楽家として作品を残す、と思い至った』そうだ。そして、『受けた衝撃を言葉や曲に表現するまで3年近い時間がかかった』という。
思いを、このようなかたちで人に伝えられる、なんとすばらしい芸術家だろう。自分は人に何を伝えられるだろうか? ....ない。ないけれども、このうたのすばらしさを感じて、それを喜びとすることができる。それだけでいいではないか。才能がなくとも、表現したいことを持つことは、大切なことだ。お金がなくとも、心が豊かであれば、いいではないか。
さらに、思いはめぐる......
そして、苦しみがあるとすれば、明るく澄んだ声で歌えばいい。
2009/08/10
さとうきび畑
8月8日の朝日新聞「be on Saturday」"うたの旅人"特集は、森山良子の「さとうきび畑」でした。
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